園長だより

園長だより2017年11月号

福島の友人から見事な紅葉の便りが届きました。横浜の日本大通りの銀杏が黄金色に染まるのは11月の終わり頃でしょうか。キャンバスに絵を描く姿も多くみられる秋の散歩道としてお勧めの場所です。自然の移ろいを色彩で感じられるのは時間の推移を視覚でとらえているからでしょう。

先日、盲学校の施設長を務めておられた方のコラムに「盲児の深夜の将棋」という記事がありました。最近将棋が話題になったことから、かつて男子寮の舎監をしていた時に、夜中に全盲の男児がすべての盤面を記憶し言葉で将棋を楽しんでいたことを思い出したという内容でした。

実は私の祖母や親戚が横浜の盲学校の教師をしていたために幼い頃から盲学校によく遊びに行っていました。その頃から盲児が音に対する優れた感覚を持っていることは驚きでした。どんなに声色を使っても、足音で誰かを当てることや、ピアノや木琴などを見事に弾きこなす盲児に目をみはるばかりでした。日常当たり前のように形や色を視覚でとらえているものにとって、想像できない世界です。

視覚を補う研ぎ澄まされた頭脳や聴覚は人間の潜在的な能力とはいえ訓練によって得られる奇跡であると思います。子どもの持っている可能性はもっともっと広いのです。限界を創らず育てていくことは、特に乳幼児に関わる保育者にとって意識を変えていく課題ではないでしょうか。


金田みどり